「65歳からの再就職は難しい」と感じて、仕事探しに不安を感じていませんか。
たしかに、65歳を境に応募できる求人が減ったり、選考が進みにくくなったりすることがあります。
ただし、仕事の探し方や希望条件を見直すことで、再就職の可能性は広げられます。
この記事では、65歳の再就職が難しい理由から、採用されやすくするための対策、仕事が決まらないときの選択肢までく解説します。
65歳の再就職はなぜ難しい?
65歳からの再就職は、若い世代と比べると簡単ではありません。
応募できる求人が少なくなったり、正社員に絞ると選考に通りにくくなったりするためです。
ただし、65歳を過ぎたからといって仕事がなくなるわけではありません。
厚生労働省によると、2024年の65~69歳の就業率は53.6%です。つまり、65~69歳では2人に1人以上が働いています。
大切なのは、若い頃と同じ条件で仕事を探し続けるのではなく、65歳以降に採用されやすい仕事や働き方まで選択肢を広げることです。
65~69歳の半数以上が働いている
「65歳になると、ほとんど仕事がないのでは?」と不安に感じる人もいるでしょう。
しかし、65~69歳の就業率は10年前と比べて13.5ポイント上昇しており、65歳を過ぎても働く人は増えています。
企業側でも高齢者が働ける環境は少しずつ広がっています。
2025年6月時点では、70歳までの就業機会を確保する措置を実施している企業は34.8%です。前年より2.9ポイント増えており、高齢者を受け入れる企業は徐々に増えています。
そのため、65歳から再就職を目指すこと自体は決して珍しくありません。
ただし、
- 仕事内容
- 給料
- 勤務日数
- 勤務時間
- 雇用形態
など、すべての希望を満たす求人を探そうとすると、仕事は見つかりにくくなります。
まずは「これだけは譲れない」という条件を決め、それ以外は柔軟に考えることが再就職への近道です。
正社員だけに絞ると難易度は上がる
65歳からの再就職で特に注意したいのが、正社員だけに絞って仕事を探すことです。
65歳以上でも正社員として採用される可能性はありますが、パートや契約社員などを含めて探す場合と比べると、求人の選択肢は少なくなります。
「正社員でなければ働かない」と決めてしまうより、
- 契約社員
- パート
- 週3~4日の勤務
- 1日4~6時間の短時間勤務
なども含めて探した方が、応募できる求人は増えます。
特に「まずは再就職すること」を優先するのであれば、雇用形態にこだわりすぎないことが大切です。
65歳からの再就職は、決して無理ではありません。
ただし、若い頃と同じ条件にこだわるほど難しくなるため、年齢に合った仕事や働き方へ条件を少し広げることが重要です。
65歳でも再就職しやすい仕事7選
65歳から再就職を目指すなら、年齢を問わず採用されやすい仕事まで選択肢を広げることが大切です。
特に、未経験から始めやすい仕事や、シニア世代が多く働いている仕事は候補にしやすいでしょう。
65歳から再就職を目指しやすい仕事は、次の7つです。
| 仕事 | 特徴 |
|---|---|
| マンション管理員 | シニア世代が働きやすい |
| 清掃員 | 未経験から始めやすい |
| 警備員 | 60代以上も働きやすい |
| スーパー | 短時間勤務を探しやすい |
| 調理補助 | 資格なしで応募できる求人も多い |
| タクシー運転手 | 運転経験を活かせる |
| 介護補助 | 無資格からできる仕事もある |
それぞれ詳しく紹介します。
マンション管理員
マンション管理員は、マンションの受付や清掃、建物内の点検、住民への対応などを行う仕事です。
特別な資格を求められない求人もあり、定年後の仕事として選ばれやすい職種の一つです。
仕事内容は勤務先によって異なりますが、
- 受付対応
- 共用部分の清掃
- 建物内の巡回
- 設備の簡単な確認
- 管理会社への報告
などが中心です。
人と接することに抵抗がなく、決められた仕事をコツコツ続けられる人に向いています。
一方で、立ち仕事や清掃作業があるため、応募前に仕事内容や勤務時間を確認しておきましょう。
清掃員
清掃員は、65歳から未経験で再就職を目指す人にも選びやすい仕事です。
オフィスビルや商業施設、ホテル、病院、マンションなど、さまざまな勤務先があります。
特別な資格や経験を求められない求人も多く、これまでの職歴に関係なく応募しやすいのがメリットです。
また、
- 午前中だけ
- 1日3~4時間
- 週3日程度
など、短時間勤務の求人もあります。
フルタイム勤務に不安がある人は、まず短時間から始めるのもよいでしょう。
警備員
警備員も、シニア世代が働きやすい仕事の一つです。
商業施設やオフィスビルなどを巡回する施設警備のほか、工事現場や駐車場で車や歩行者を誘導する交通誘導警備などがあります。
未経験から応募できる求人もあり、採用後に研修を受けてから仕事を始めるのが一般的です。
ただし、警備の仕事は勤務地によって仕事内容が大きく異なります。
長時間立つ仕事もあるため、体力に不安がある場合は、施設警備など比較的負担の少ない求人を探すとよいでしょう。
スーパー
スーパーでは、品出しやレジ、惣菜の調理補助、カート整理など、さまざまな仕事があります。
店舗数が多いため、自宅の近くで仕事を探しやすいのもメリットです。
また、早朝だけ、午前中だけなど、短時間勤務を募集している店舗もあります。
仕事内容によっては接客が少ないため、
「接客には自信がない」
という人なら、品出しやバックヤードの仕事を探すのもおすすめです。
調理補助
調理補助は、飲食店や病院、介護施設、社員食堂などで料理を作る人をサポートする仕事です。
主な仕事内容は、
- 食材を切る
- 盛り付ける
- 食器を洗う
- 厨房を清掃する
などです。
調理師免許がなくても応募できる求人があり、普段から料理をしている人なら家事経験を活かせる場合もあります。
ただし、立ち仕事が中心になるため、勤務時間が長すぎないか確認してから応募しましょう。
タクシー運転手
車の運転が好きな人や、これまで仕事や私生活で運転してきた人には、タクシー運転手も選択肢になります。
タクシー会社によっては60代以上を採用しており、年齢よりも安全運転や接客姿勢を重視するケースがあります。
また、タクシー運転手として働くには普通自動車第二種免許が必要ですが、取得費用を会社が負担する制度を用意している求人もあります。
一方で、勤務時間が長くなる働き方もあります。
給与だけで選ばず、勤務時間や休日、勤務形態まで確認することが大切です。
介護補助
介護の仕事というと「資格が必要」と思う人もいるかもしれません。
しかし、介護施設では、専門的な介護を行う職員をサポートする介護補助の求人もあります。
たとえば、
- 部屋の清掃
- ベッドメイキング
- 食事の配膳
- 洗濯
- 利用者の見守り
などです。
仕事内容によっては、資格や介護経験がなくても応募できます。
人と接することが好きな人や、誰かを支える仕事をしたい人には向いているでしょう。
ただし、身体介助を含むかどうかによって負担は大きく変わるため、求人票の仕事内容をよく確認してください。
迷ったら「年齢不問・シニア歓迎」から探す
65歳からの再就職では、「やりたい仕事」だけで探すと求人がなかなか見つからないことがあります。
その場合は、
- 年齢不問
- 60代活躍中
- シニア歓迎
- 未経験歓迎
- 定年なし
などの条件が書かれた求人から探してみましょう。
最初から仕事を一つに絞る必要はありません。
いくつか応募してみて、勤務時間や仕事内容、職場の雰囲気などを比較しながら、自分に合った仕事を選ぶのがおすすめです。
次章では、仕事を探していてもなかなか採用されない人に共通する特徴を解説します。
65歳で再就職しにくい人の特徴
65歳からの再就職では、年齢だけが原因で仕事が決まらないとは限りません。
希望条件や仕事の探し方によって、自分で応募先を狭めてしまっている場合もあります。
なかなか再就職が決まらない人は、次のような点に当てはまっていないか確認してみましょう。
希望条件を絞りすぎている
勤務地や勤務時間、給与、休日などの条件を細かく設定しすぎると、応募できる求人は少なくなります。
たとえば、
- 自宅から30分以内
- 土日休み
- 日中のみ
- 前職と同じ給与水準
など、すべての条件を満たす求人を探すのは簡単ではありません。
まずは「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」に分けるのがおすすめです。
すべてを満たす求人にこだわるより、優先順位を決めた方が応募先を増やしやすくなります。
正社員にこだわっている
65歳から正社員だけに絞って仕事を探すと、再就職の難易度は上がります。
正社員として働きたい気持ちがあっても、最初から雇用形態を限定しすぎない方がよいでしょう。
契約社員やパート、短時間勤務なども含めて探せば、応募できる求人は増えます。
まずは働き始めることを優先し、その後に勤務時間を増やす方法もあります。
前職と同じ仕事にこだわっている
長く同じ仕事をしてきた人ほど、「これまでと同じ仕事で再就職したい」と考えやすくなります。
しかし、65歳以降は前職と同じ職種の求人が少なかったり、求められる働き方が変わったりする場合があります。
大切なのは、職種名ではなくこれまで身につけた経験を別の仕事でも活かせないか考えることです。
たとえば、営業経験がある人なら接客や受付、管理職経験がある人ならマンション管理や施設管理などで、人との調整力を活かせる可能性があります。
経験をそのまま使える仕事だけではなく、「経験の一部を活かせる仕事」まで広げて探してみましょう。
給与や役職を下げられない
再就職後も前職と同じ給与や役職を求めると、応募できる求人が限られてしまいます。
特に長年会社員として働き、管理職を経験した人は注意が必要です。
65歳からの再就職では、責任の大きな仕事よりも、現場を支える仕事や短時間勤務の求人が中心になることもあります。
そのため、
「前職ではいくらもらっていたか」
ではなく、
「今の生活にいくら必要か」
を基準に考えることが大切です。
年金など他の収入も含めて必要な月収を計算すると、選べる仕事が増える場合があります。
以前のやり方にこだわりすぎる
経験が豊富なことは、65歳からの再就職でも大きな強みです。
一方で、面接で前職の実績ばかりを強調すると、
「新しい職場のやり方に合わせられるだろうか」
と心配される場合があります。
再就職先では、年下の上司から仕事を教わったり、新しいシステムを覚えたりすることもあります。
面接では、経験をアピールするだけでなく、
「新しい仕事も一から覚えたい」
「職場のルールに合わせて働きたい」
という姿勢を伝えることも重要です。
応募する前から年齢で諦めている
求人票を見て、
「65歳だから採用されないだろう」
と応募を諦めてしまう人もいます。
しかし、「年齢不問」「シニア歓迎」「60代活躍中」などと書かれている求人であれば、65歳でも採用される可能性はあります。
もちろん応募すれば必ず採用されるわけではありません。
それでも、応募しなければ採用される可能性はゼロです。
気になる求人があれば年齢だけで判断せず、仕事内容や応募条件を確認したうえで挑戦してみましょう。
65歳から再就職するためのコツ
65歳から仕事を見つけるには、若い頃と同じ条件で探すのではなく、求人の選び方を変えることがポイントです。
希望条件に優先順位をつける
まずは、仕事選びで何を優先するか決めましょう。
例えば、
「体力的に無理がない」
「自宅から通いやすい」
「月5万円以上稼ぎたい」
などです。
すべてを満たす求人を探すのではなく、最も大切な条件を1〜2つ決めると探しやすくなります。
勤務日数や時間帯を広げるだけでも、応募できる求人が増えることがあります。
シニア歓迎の求人を探す
65歳からは「シニア歓迎」「60代活躍中」と記載された求人を優先して探すのがおすすめです。
こうした職場では、すでに60代以上が働いている場合が多く、年齢によるミスマッチを減らせます。
例えば、
- 清掃
- 警備
- マンション管理
- スーパーの品出し
- 調理補助
- 介護補助
などは、シニア向け求人を見つけやすい仕事です。
一般的な求人サイトだけでなく、シニア向け求人サイトやハローワークも利用しましょう。
経歴より「何ができるか」を伝える
履歴書や面接では、前職の役職や実績だけを説明するのではなく、応募先で何ができるかを伝えましょう。
例えば、
「管理職を10年経験しました」
だけではなく、
「新人への業務指導を行ってきたため、人に仕事を教えることが得意です」
と伝えるほうが、採用後のイメージを持ってもらいやすくなります。
過去の肩書きより、応募先の仕事に役立つ経験を具体的に伝えることがポイントです。
必要なスキルを身につける
希望する仕事によっては、簡単なパソコン操作などを求められる場合があります。
特に事務職では、WordやExcel、メールなどの基本操作ができると応募できる求人が増えます。
不安がある場合は、パソコン教室や職業訓練を利用する方法もあります。
すべてを習得する必要はなく、希望する仕事で必要なスキルから身につけると効率的です。
再就職できない場合の対策
何社か応募しても採用されないと、「65歳だから無理なのでは」と不安になるかもしれません。
しかし、応募数だけを増やしても、同じ条件・同じ探し方を続けていると結果が変わらないことがあります。
再就職がなかなか決まらないときは、次の4つを見直してみましょう。
応募する仕事を変える
まず見直したいのが、応募している仕事の種類です。
事務職や正社員など、人気が高い仕事だけに応募していると、競争が激しくなりやすくなります。
なかなか決まらない場合は、
- 清掃
- 警備
- マンション管理
- スーパー
- 調理補助
- 介護補助
など、65歳以上でも働きやすい仕事まで広げてみましょう。
また、前職とまったく同じ仕事にこだわる必要もありません。
これまでの経験の一部を活かせる仕事まで含めて探すと、応募先を増やしやすくなります。
勤務条件を少し広げる
仕事内容だけでなく、勤務条件を絞りすぎていないかも確認しましょう。
たとえば、
「正社員・週5日・日勤・土日休み」
だけで探すと、求人はかなり限られます。
なかなか再就職できない場合は、
- 正社員だけでなく契約社員やパートも見る
- 週5日だけでなく週3~4日も見る
- 1日8時間だけでなく短時間勤務も見る
- 希望する勤務地の範囲を少し広げる
など、一つずつ条件を緩めてみるのがおすすめです。
すべての条件を妥協する必要はありません。
「これだけは譲れない」という条件を1~2個に絞ると、仕事を探しやすくなります。
履歴書や面接を見直す
応募しても書類選考で落ちることが続く場合は、履歴書や職務経歴書を見直してみましょう。
65歳からの再就職では、これまでの実績を詳しく書くだけでは十分とは限りません。
採用担当者が知りたいのは、
「この人を採用したら、今の職場でどのように働いてくれるか」
という点です。
そのため、
「管理職を20年間経験した」
だけではなく、
「部下や取引先との調整経験を、受付や管理業務でも活かせる」
など、応募する仕事につなげて伝えることが大切です。
一人で探し続けず相談する
何社応募しても決まらない場合は、一人で仕事を探し続ける必要はありません。
ハローワークなどで第三者に相談すると、
- 希望条件が厳しすぎないか
- 応募先が偏っていないか
- 履歴書に改善点がないか
- 他に向いている仕事がないか
といった点を客観的に見てもらえます。
特にハローワークには、概ね60歳以上の求職者を支援する「生涯現役支援窓口」が設けられています。
自分では気づかなかった仕事を紹介してもらえることもあるため、なかなか再就職が決まらない人は一度相談してみるとよいでしょう。
何社応募しても採用されないときに大切なのは、「もっと応募しなければ」と考えることではなく、今の探し方を少し変えることです。
応募する仕事や勤務条件、履歴書の内容を一つずつ見直せば、再就職できる可能性を高められます。


