お金や体力の不安はありますが、
実際には年金生活でも海外旅行を楽しんでいるシニア世代は多くいます。
しかも、その多くは特別なお金持ちではありません。
この記事では、年金生活でも無理なく海外旅行に行くための考え方やおすすめの海外旅行先を紹介します。
年金生活でも海外旅行はできる
年金生活でも海外旅行を楽しんでいるシニア世代は少なくありません。
それには、きちんとした理由があります。
時期を選べるだけで、費用も疲れも減らせる
現役時代は休みが連休に集中し、旅行代が高くなりがちでした。
一方で年金生活は日程を調整しやすく、
・平日出発にできる
・混む時期を避けられる
・航空券やホテルの高騰を回避しやすい
という強みがあります。
ピーク時よりもかなりお得に旅行ができることはシニアの特権と言えるでしょう。
さらに混雑が少ない時期は、歩く距離も短くなりやすく、体力面でも楽になります。
シニア向けの優待やプランが選べる
最近は60代以上を意識したツアーや特典が増えており、
・移動がラクなスケジュール
・添乗員同伴でサポートが前提のプラン
といった内容が、最初からセットになっていることが多いです。
「体力が不安」「手続きが苦手」という方ほど、こうしたプランは相性が良くなります。
年金生活で海外旅行に回せるお金はいくら?

海外旅行を考えたとき、多くの方が最初に不安になるのが「お金」の問題です。
この章では、
一般的な年金額の目安と、そこから海外旅行費用をどう考えればよいかを、
できるだけ分かりやすく整理します。
一般的な年金額の目安を知っておこう
たとえば、夫婦2人の標準的な年金額は、月23万円前後(厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金)とされています。
また、会社員として長く働いた方が受け取ることが多い厚生年金は、平均で月14〜15万円台です。
一方、自営業など国民年金が中心の方は、老齢基礎年金の満額で月6〜7万円台が目安になります。
まとめると、年金の目安は次のイメージです。
・会社員期間が長い方(厚生年金中心):月14〜15万円台
・自営業中心の方(国民年金中心):月6〜7万円台
・夫婦2人:月23万円前後
年生活費の平均を見ると「毎月の余白」は多くない
年金額とあわせて考えたいのが、毎月の生活費です。
総務省統計局の家計調査では、65歳以上の無職世帯について次のような結果が出ています。
・夫婦のみの無職世帯
実収入:252,818円/消費支出:256,521円
・単身の無職世帯
実収入:134,116円/消費支出:149,286円
平均を見ると、毎月の収支には大きな余裕はなく、赤字になりやすいことが分かります。
そのため、海外旅行の費用を「毎月の余りだけで出す」と考えると、どうしても無理が出やすくなります。
現実的には、次のような方法を組み合わせるのがおすすめです。
・固定費や日常の支出を少し見直し、旅行用の積立を作る
・年1回など回数を決め、月々は少額ずつ積み立てる
・貯蓄の一部を「旅行用」として、無理のない範囲で使う
何か月に1回なら海外旅行は現実的?
ここからは、旅行費を具体的な数字で考えてみましょう。
日本から近い国へ3泊4日で行く場合、1人あたり8万円前後が目安です。
夫婦2人なら、合計で約16万円になります。
旅行費は、次のように考えると分かりやすくなります。
旅行費(16万円)÷ 毎月の積立額 = 何か月で貯まるか
・毎月1万円なら → 約16か月に1回
・毎月2万円なら → 約8か月に1回
・毎月3万円なら → 約6か月に1回
毎月無理をして貯める必要はありません。
「年に1回の楽しみ」「1年半に1回の楽しみ」と決めて準備するだけでも、海外旅行は十分に現実的になります。
海外旅行で費用を抑える6つのコツ

年金生活で海外旅行を楽しむために大切なのは、
「お金をかけないこと」ではなく、
かけるところと抑えるところを分けることです。
ここでは、シニア世代でも無理なく実践できる、
海外旅行費用を抑える6つのコツを紹介します。
オフシーズンと平日出発を選ぶ
海外旅行の費用は、
行き先よりも「時期」で大きく変わります。
・連休を避ける
・平日に出発する
・観光客が少ない時期を選ぶ
これだけで、
同じ内容の旅行でも2〜3割安くなることがあります。
年金生活の強みは、
日程を自由に選べることです。
このメリットは、しっかり活かしましょう。
シニア向け海外ツアーを上手に使う
「自分で予約するのは不安」という方は、
シニア向け海外ツアーを利用するのも良い方法です。
・移動やホテルがすべて決まっている
・添乗員が付くプランも多い
・費用が最初から分かりやすい
個人手配より高そうに感じますが、
トラブルを防げる安心感を考えると、
結果的に割安になるケースもあります。
フライト時間が短い国を選ぶ
長時間の飛行機は、
体力だけでなく費用面でも負担になります。
・燃油代が高くなる
・乗り継ぎが増える
・移動日が丸1日潰れる
日本から近い国を選ぶだけで、
航空券代も体の負担も抑えられます。
「近場の海外」は、
年金生活にとても相性が良い選択です。
ホテルは立地と安全性を優先する
高級ホテルに泊まる必要はありませんが、
安さだけで選ぶのはおすすめできません。
・駅やバス停から近い
・夜でも人通りがある
・口コミが安定している
こうした条件を満たすホテルを選ぶと、
移動の負担やタクシー代を減らすことができます。
結果的に、余計な出費を防ぐことにつながります。
食事は「外食+簡単な食事」で調整する
毎食レストランに入ると、
どうしても食費はかさみます。
・昼は外食
・朝や夜は軽めに済ませる
・スーパーやテイクアウトを活用する
このようにメリハリをつけるだけで、
食費は大きく変わります。
無理に節約する必要はありませんが、
「全部外食」にしないことがポイントです。
海外旅行保険は内容を絞って加入する
保険は大切ですが、
必要以上に高額なプランに入る必要はありません。
・治療費の補償額
・持病が対象になるか
・クレジットカード付帯保険の有無
この3点だけ確認すれば十分です。
不要な補償を外すことで、保険料は抑えられます。
シニア世代におすすめの海外旅行先
年金生活での海外旅行は、
有名な観光地を急いで回るよりも、
「無理なく過ごせて、気持ちが満たされるかどうか」が大切です。
ここでは、体力面・治安・費用のバランスが良く、
シニア世代が実際に満足しやすい国を紹介します。
台湾|街歩きと食をゆっくり楽しめる

台湾は、
「久しぶりの海外旅行」や「初めての海外」に選ばれやすい国です。
街がコンパクトで、
移動に時間や体力を取られにくいのが大きな魅力です。
地下鉄やバスも分かりやすく、
道に迷いにくい安心感があります。
台北では、
市場をのんびり歩いたり、
カフェでお茶をしたりと、予定を詰め込まなくても楽しめます。
少し足を伸ばせば、
昔ながらの街並みや港町にも行けるため、
「毎日違う雰囲気を少しずつ味わえる旅」ができます。
3泊4日の費用目安(1人)
約10万円前後
韓国|短い日程でも海外気分を味わえる

韓国は、日本からとても近く、
移動の負担が少ない海外旅行先です。
飛行機に乗っている時間が短いため、
到着後すぐに観光を始められるのが特徴です。
ソウルでは、
歴史ある建物を見学したり、
市場や街中で食事を楽しんだりと、
半日単位で無理なく行動できます。
「長く歩くのは心配」という方でも、
ホテル周辺だけで十分に海外の雰囲気を楽しめるのが魅力です。
3泊4日の費用目安(1人)
約8万円前後
タイ|少し贅沢しながら、体を休められる

タイは、
物価が安く、年金生活でもゆとりを感じやすい国です。
食事やホテルの質が高く、
「値段以上に満足できる」と感じる方が多いのも特徴です。
観光は、
徒歩だけでなくタクシーやツアーを使うことで、
体の負担を減らすことができます。
寺院を見学したり、
マッサージで体をほぐしたりと、
休みながら楽しむ旅がしやすい国です。
3泊4日の費用目安(1人)
約10万円前後
ベトナム|落ち着いた雰囲気で長く過ごしやすい

ベトナムは、
せかせか動く旅行よりも、
ゆったり過ごしたい方に向いています。
物価が安く、
食事やカフェでの休憩を気軽に楽しめるため、
「今日は何もしない日」を作っても罪悪感がありません。
街の雰囲気もどこか穏やかで、
観光地を回らなくても、
街を歩くだけで旅をしている実感が持てます。
3泊4日の費用目安(1人)
約9万円前後
シンガポール|治安と清潔さを重視したい人に安心

シンガポールは、
「海外の治安が少し不安」という方でも安心しやすい国です。
街が整っていて、
交通機関も分かりやすく、
移動で迷うことがほとんどありません。
観光地がまとまっているため、
長距離を移動せずに、
短期間でも充実した時間を過ごせます。
物価はやや高めですが、
安心感を重視したい方には向いています。
3泊4日の費用目安(1人)
約11万円前後
安心してシニア旅行をするための注意点

海外旅行は楽しい反面、
シニア世代だからこそ事前に気をつけておきたいポイントがあります。
ここでは、
「行ってから困らないために知っておきたいこと」を中心にまとめます。
長時間の移動をできるだけ避ける
体力面で一番負担になるのは、
観光よりも「移動」です。
・乗り継ぎが多い航空便
・深夜発・早朝着のフライト
・移動時間が長い日程
こうした旅程は、
思っている以上に体にこたえます。
可能であれば、
直行便や乗り継ぎの少ない便を選び、
移動日は「休む日」と割り切ることが大切です。
持病の薬と必要な書類は必ず準備する
海外では、
日本と同じ薬がすぐに手に入るとは限りません。
・普段飲んでいる薬は日数分+予備
・薬の名前や効能を書いたメモ
・必要に応じて医師の診断書
これらを準備しておくと、
万が一のときも落ち着いて対応できます。
「使わなければそれで良い」ものほど、
忘れずに持っていきましょう。
海外旅行保険と医療体制を確認しておく
年齢を重ねると、
思わぬ体調不良が起こることもあります。
・治療費がいくらまで補償されるか
・持病が対象になるか
・現地で利用できる病院はどこか
出発前にこの3点を確認しておくだけで、
不安はかなり軽くなります。
「入っているつもり」で内容を把握していない、
ということがないようにしましょう。
治安が不安な行動は避ける
海外では、
日本と同じ感覚で行動しないことが大切です。
・夜遅くに一人で出歩かない
・人通りの少ない道を避ける
・貴重品は分けて持つ
観光客が多いエリアを選び、
無理な行動をしなければ、
トラブルに巻き込まれる可能性は大きく下がります。
予定を詰め込みすぎない
「せっかく海外に来たから」と、
予定を詰め込みすぎると、
疲れだけが残ってしまいます。
・1日に1〜2か所で十分
・疲れたら休む
・何もしない日があってもいい
年金生活の旅行は、
若い頃の旅行とは目的が違います。
「無理をしないこと」が、一番の成功ポイントです。



