「タクシー運転手は歩合制だから、収入が安定しないのでは?」と気になる人もいるでしょう。
実際、タクシー運転手の年収は全国平均で450万円前後です。ただし、勤務地や勤務時間、売上によって収入には大きな差があります。
この記事では、タクシー運転手の平均年収や地域・年代による違い、60代・70代で働く場合の収入、年金への影響まで分かりやすく解説します。
タクシー運転手の平均年収は450万円
タクシー運転手の平均年収は、厚生労働省の統計を基にすると約451万円です。
求人サイトでも約473万円というデータがあり、おおむね450万円前後がひとつの目安になります。
厚生労働省の統計では約451万円
一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会が、厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」を基にまとめたデータによると、タクシー運転者の年間賃金推計額は450万8,200円です。
前年より35万9,700円、8.7%増加しています。
全産業平均の伸び率3.5%を上回っており、タクシー運転手の給与水準は前年から大きく伸びています。
求人サイトでは平均年収473万円
求人ボックスの給料ナビ(2026年7月集計)では、タクシー運転手の平均年収は473万円です。
月給にすると約39万円で、給与幅は303万〜748万円。もっとも多い年収帯は414万〜470万円となっています。
厚生労働省の統計とは集計方法が異なりますが、どちらを見ても年収450万円前後がひとつの目安と考えられます。
年収に大きな差がある理由
タクシー運転手は、売上に応じて給与が増える「歩合制」を採用している会社が多い仕事です。
そのため、同じ会社でも、
- どのエリアを走るか
- 何日働くか
- 日勤・夜勤のどちらか
- どれくらい売上を上げるか
などによって年収が変わります。
平均年収だけでなく、自分が希望する勤務地や働き方でどのくらい稼げるかを見ることが大切です。
年収を左右する3つの要因
タクシー運転手の年収は、主に「給与体系」「勤務地」「年代」によって変わります。
給与体系・歩合率
タクシー会社では、固定給と歩合給を組み合わせた給与体系が多く採用されています。
歩合率は会社によって異なり、売上の50〜60%程度がひとつの目安です。
たとえば月の売上が60万円、歩合率が55%なら、売上に対する給与の目安は33万円です。
ただし、実際の給与計算方法は会社によって異なります。
求人を探す際は、
- 固定給はいくらか
- 歩合率は何%か
- 最低保証給はあるか
を確認しておきましょう。
勤務地
タクシー運転手の年収は、働く地域によっても大きく変わります。
求人ボックスのデータでは、平均年収がもっとも高い大阪府は528万円、沖縄県は339万円。その差は約189万円です。
都市部は駅や繁華街、ビジネス街などでタクシー需要が多く、乗客を獲得しやすい傾向があります。
一方、地方では利用者そのものが少なく、売上を伸ばしにくい地域もあります。
同じタクシー運転手でも、どこで働くかによって年収に大きな差が出ることを覚えておきましょう。
年代
年代によっても平均年収には差があります。
タクシー運転手専門の求人サイト「タクシー転職ナビ」の集計では、40代の年収が約509万円でピークとなり、60代では約389万円となっています。
60代以降は、体力に合わせて勤務時間や乗務日数を減らす人が増えることも、年収が下がる理由のひとつと考えられます。
ただし、年齢だけで収入が決まるわけではありません。
勤務日数や売上によって給与が決まるため、60代でも働き方次第ではしっかり収入を得られます。
定年後にいくら稼げる?
タクシー運転手は、定年後の再就職先としても選択肢になります。
ただし、シニアの場合は年収だけでなく、体力に合わせて働けるかも確認しておきましょう。
未経験でも給与保証がある会社がある
タクシー運転手は、未経験からでも始められます。
会社によっては、
- 二種免許の取得費用を負担
- 運転・接客研修を実施
- 一定期間の給与を保証
といった制度を用意しています。
そのため、定年後に初めてタクシー業界へ転職する人でも挑戦できます。
ただし、給与保証の金額や期間は会社によって異なるため、求人票で確認しましょう。
60代・70代の収入は働き方で変わる
60代・70代の収入は、勤務日数や勤務時間によって大きく変わります。
フルタイムに近い働き方なら収入を増やしやすい一方、週2〜3日など勤務日数を減らせば、その分収入も下がります。
特に定年後は、
「できるだけ稼ぎたいのか」「年金にプラスする程度でよいのか」
によって、適した働き方が変わります。
求人を見る際は年収例だけでなく、その金額が何日・何時間働いた場合の収入なのかまで確認しましょう。
年金をもらいながら働くこともできる
60歳以上で厚生年金に加入しながら働く場合は、「在職老齢年金」が関係することがあります。
在職老齢年金は、給与や賞与と老齢厚生年金の合計が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止になる制度です。
2026年4月からは、支給停止の基準額が月65万円に引き上げられています。
そのため、タクシー運転手として働いたからといって、必ず年金が減るわけではありません。
自分の給与と年金額を確認したうえで、働き方を決めるとよいでしょう。
タクシー運転手の年収を増やすには?
タクシー運転手は歩合給の割合が大きいため、会社や働き方によって収入が変わります。
転職する前に、次のポイントを確認しましょう。
給与体系と歩合率を確認する
まず確認したいのが、固定給と歩合率です。
歩合率が高ければ、売上を伸ばしたときに給与も増えやすくなります。
一方、固定給の割合が高い会社は、大幅な収入アップは狙いにくいものの、売上が少ない月でも収入が安定しやすいのがメリットです。
「安定して働きたい」「できるだけ稼ぎたい」など、自分の希望に合った給与体系を選びましょう。
勤務地・勤務時間帯を確認する
タクシーの需要が多い地域ほど、売上を伸ばしやすくなります。
特に、
- 駅周辺
- 繁華街
- ビジネス街
- 空港周辺
などは利用者を獲得しやすいエリアです。
また、夜間は割増運賃が適用されるため、売上を伸ばしやすい面があります。
ただし、夜勤は生活リズムや体力への負担も大きくなります。特にシニアの場合は、収入だけでなく無理なく続けられる勤務時間かも確認しましょう。
求人票で確認したいポイント
タクシー会社の求人を見る際は、次の項目を比較しましょう。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 給与体系 | 固定給と歩合給の割合 |
| 歩合率 | 売上の何%が給与になるか |
| 給与保証 | 金額と保証される期間 |
| 賞与 | 支給の有無・条件 |
| 営業エリア | タクシー需要が多い地域か |
| 勤務時間 | 日勤・夜勤・隔日勤務など |
特に「月収50万円以上可能」などの求人を見る場合は、実際にどのくらいの人がその収入を得ているのかを確認することが大切です。
面接では、
「未経験で入社した人の1年目の平均月収はどのくらいですか?」
と聞いておくと、入社後の収入をイメージしやすくなります。


